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園だより『元気いっぱい 2025年5月号』

  • fk-studio
  • 4月28日
  • 読了時間: 2分


【悲観的なのは性格である。楽観的なのは意志である。】


 これは、宇宙飛行士・山崎直子さんが脳科学者・中野信子さんとの対談の中で紹介された言葉です。宇宙飛行士という過酷な職業を選び、数々の試練を乗り越えてきた山崎さんだからこそ、この言葉には重みがあります。そして、幼児教育に携わる私たちにも深く響くメッセージだと感じました。


 子どもたちは、生まれ持った個性をそれぞれに持っています。慎重な子もいれば、活発な子もいる。不安になりやすい子、挑戦をためらう子も少なくありません。こうした性格の違いは、決して良し悪しではなく、むしろ、その子らしさとして大切に受け止めるべきものです。


 しかし、どんな性格であったとしても、「困難に出会ったときにどう向き合うか」という力は、育てることができます。そして、それこそが幼児教育の大きな役割ではないかと思っています。


 小さな挑戦の積み重ね——たとえば、苦手なことにもチャレンジしてみる、うまくいかなくてももう一度やってみる。そうした経験を重ねる中で、子どもたちは「楽観的であることは意志である」という感覚を、少しずつ身につけていくでしょう。失敗しても大丈夫、また挑戦すればいい。そう教えていくことが、子どもたちの心に「前向きな意志の力」を育む土台となります。


 だからこそ、幼児教育の現場では、子どもたち一人ひとりの性格を尊重しながらも、「挑戦する喜び」や「できた時の達成感」をたくさん味わわせてあげたい。結果にこだわりすぎず、頑張ったプロセスを認めること。失敗したときも、「やってみたこと自体が素晴らしい」と声をかけること。それが、未来に向かって歩んでいく力を育てることにつながるのだと思います。


 山崎さんのこの言葉は、幼児期にこそ意識すべき大切な視点を私たちに教えてくれます。子どもたちがどんな困難にも前向きに挑戦できるように、私たち大人がその意志を育てる存在でありたいと思います。



富士中央幼稚園・教育ディレクター

法人理事 小林浩子

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